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逆三尊 銘柄|日本株5例とnitekabu検索手順

by @kabueng55

逆三尊パターンの図解とネックラインブレイクのポイント

「逆三尊って言葉は知ってる。でも、いま日本株のどこでそれが起きてるのかわからない」——そんな個人投資家向けに、本記事では形成中/完成済みの 日本株 5 例 を画像で解説し、nitekabu と TradingView でスクリーニングする手順まで 1 本でまとめます。

この記事でわかること

  • 逆三尊(インバースヘッドアンドショルダー)の 4 つの判定条件と教科書的な形
  • 日本株で実際に形成された 5 銘柄の具体例(チャート画像つき)
  • ネックラインの引き方とブレイク確定の見極め方
  • だましを避ける 3 つのチェックポイントと過去の損失体験談
  • nitekabu / TradingView で現在進行形の候補を見つける手順

逆三尊とは?下落トレンドの底を示す反転パターン

逆三尊(ぎゃくさんぞん)は、3 つの安値と 2 つの戻り高値で構成される、下降トレンドの底を示す反転パターンです。英語では「Inverse Head and Shoulders(インバースヘッドアンドショルダー)」と呼ばれ、左肩・頭・右肩の 3 つを下向きに描いた形になります。テクニカル分析の世界では古くから知られたパターンで、Wikipedia の Head and shoulders (chart pattern) でも反転パターンの代表例として整理されています。

形の構成はシンプル。下落の途中で 1 度目の安値(左肩)を作り、戻して再下落でより深い安値(頭)、さらに戻して 3 度目の安値(右肩)を作る——この 3 つの谷が並んだ後、戻り高値を結んだ「ネックライン」を上抜けると、上昇シグナルとみなされます。

イメージは三尊(ヘッドアンドショルダーズ)の上下対称形。三尊が天井圏での反落シグナルとされるのに対し、逆三尊は底値圏での反転上昇シグナルとして広く知られています。世界的に信頼度の高いチャートパターンとして紹介されることが多く、投資をわかりやすく解説(YouTube 動画)でも「世界的に知られているチャートの形状で信頼性の高いチャートの形状として有名」と説明されています。

なぜこの形が反転を示唆するのか。背景には「下げたい人」と「もう下げきった、買いたい人」の攻防があります。松井証券マーケットナビ(YouTube 動画)では、似た構造のダブルボトムについて「高値を更新したい人と、もういいやと諦める人が攻防線を広げている」と表現していました。逆三尊も同じで、安値を更新しに行く売り手と、押し目買いを入れる買い手の力関係が、3 回の安値を経て買い手優勢に傾いた瞬間がネックラインブレイクです。

逆三尊が成立する 4 つの判定条件

教科書的に「これは逆三尊だ」と判定できるためには、形だけでなくトレンド・出来高・ネックライン突破までを含む 4 つの条件を満たす必要があります。まず一覧で全体像を把握してください。

#条件チェックポイント
1長期下降トレンドの末期で出現日足 3〜6 ヶ月、週足 1 年以上の下落後
23 つの安値の対称性中央(頭)が最深、両側(左肩・右肩)はそれより浅い
3出来高パターン左肩 → 頭で減少、右肩で再増加、ブレイクで急増
4ネックライン突破終値ベースで上抜けて初めて「完成」

1. 長期下降トレンドの末期で出現

逆三尊は底値圏のパターンです。すでに長い下落トレンドが続いた後に現れることが条件で、上昇トレンド中に似た形が出ても意味を持ちません。日足なら 3〜6 ヶ月、週足なら 1 年以上の下落の後が目安となります。

2. 3 つの安値の対称性

中央(頭)の安値が最も深く、両側(左肩・右肩)の安値はそれよりも浅いという 3 点の対称性が必要です。右肩の方が左肩よりやや高いとパターン強度が増します。逆に右肩が左肩より深くなった場合は要警戒。

3. 出来高パターン

左肩 → 頭で出来高が減少し、頭の底値で売り圧力がほぼ枯れる。その後、右肩を作る過程で再び出来高が増え、ネックラインブレイク時に出来高が急増するのが理想形。ゆっくりテンバガーちゃんねる(YouTube 動画)でも「最初の 2 つの底で出来高が減少し、3 つ目の底で出来高が増加する場合、強い逆転シグナルとされている」と解説されています。

4. ネックライン突破で確定

2 つの戻り高値を結んだネックラインを終値ベースで上抜けてはじめて、逆三尊は「完成」と判定されます。ザラ場で一瞬上抜けただけでは確定せず、終値ベースの確認が必要です。

これら 4 条件の信頼度は、時間軸が長いほど上がるとされています。投資をわかりやすく解説の動画でも「期間の長いチャートで見るほうが信頼度は上がります。日足より週足、週足より月足のほうが信頼度は上がります」と明示されていました。スイング投資家の方は、日足だけでなく週足にも逆三尊が出ているかを確認すると、ダマシを大きく減らせる傾向があります。

逆三尊 4 つの判定条件

ネックラインの引き方とブレイク確定の見極め

ネックラインは 2 つの戻り高値を結ぶ線で、終値ベースでこのラインを上抜けた瞬間が「逆三尊の完成」と判定されます。一見シンプルですが、実は引き方で 3 つのパターンに分かれます。

水平型(最もオーソドックス)

左右の戻り高値がほぼ同水準のケース。確定判定もしやすい形です。多くの教科書はこの水平型を前提に解説しています。

右肩上がり型(理想形のひとつ)

右の戻り高値が左より高いケース。買い圧力がすでに優勢になっており、ブレイク後の上昇力が強いとされる形です。

右肩下がり型(要警戒)

右の戻り高値が左より低いケース。買い圧力が左肩時点より弱まっているため、ブレイクしてもだましになりやすい傾向があります。経験的にはエントリーを慎重にする方が無難です。

ブレイク確定の見極めには、私は 3 つの条件をチェックしています。

  1. 終値ベースで上抜けているか(ザラ場の瞬間上抜けは無効)
  2. 出来高がブレイク時に増加しているか
  3. 翌日以降もネックラインを下に割らないか(リターンムーブ後の維持確認)

特に 3 点目は実務的に重要です。三澤たかのり先生の「なるほど株大学!」(YouTube 動画)では、逆三尊を「W の形を形成している」と表現し、W の右辺の上抜けポイントが最良のエントリー位置だと解説されていました。W の右辺、つまり右肩を作って戻り高値を上抜けた瞬間、というイメージで覚えておくとブレ動きで迷いません。

エントリー位置については 2 通りの考え方があります。保守派は「ブレイク確定後、リターンムーブでネックラインまで戻ったところでエントリー」、積極派は「ブレイク当日の終値で即エントリー」。ここで言うリターンムーブとは、ネックラインを上抜けた価格がいったんそのラインまで戻ってきて再度跳ね返る動きのこと。略して「ローリバ(ロールリバーサル)」と呼ばれることもあります。どちらが正解というわけではなく、自分の損切りラインの取り方と相性のいい方を選ぶ形になります。私自身は損切り幅を明確にしたい派なので、リターンムーブを待ってからのエントリーを試すことが多いです。

ネックラインの引き方とブレイク確定

日本株で実際に見つけた逆三尊 5 例

ここからは具体例です。X(株クラ)で実際に「逆三尊を形成している」と取り上げられた日本株のうち、セクター分散と一次情報の質を基準に 5 銘柄をピックアップして紹介します。各銘柄、X 上で誰がどのように観察したかをそのまま引用しています。

#銘柄コード社名業種着目ポイント
16740ジャパンディスプレイ大型液晶パネル低位株での出来高変化が観察しやすい例
23652DMP半導体 IP複数テクニカル(逆三尊+パラボリック+一目+週足 GC)が揃った例
3247AAI ロボティクスグロース新興決算カタリストとテクニカルの掛け算
4285Aキオクシア半導体メモリネックライン BO 後のロールリバーサル待ち
52195アミタホールディングス環境ソリューション中小型・ニッチ業種で逆三尊が出やすい例

なお、ここで取り上げる銘柄は過去事例の観察であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

銘柄 1:ジャパンディスプレイ(6740)— 大型液晶パネル

中小型ではなく大型銘柄の例です。あんてな(@rx8r14367)さんが「逆三尊のチャートを先に発見して共有中」というシリーズで JDI を挙げていました。50 銘柄まとめの一覧チャートを毎日発信されている方で、ジャパンディスプレイ・セイワホールディングス・テクニスコ・アミタホールディングスが同時に掲載されています。

業績不振からのターンアラウンドが意識されている銘柄群の一つで、株価帯としては数十円台の超低位株。低位株は値幅は出にくいですが、逆三尊形成期間中の出来高変化が観察しやすいという特徴があります。教科書的な「左肩 → 頭 → 右肩で出来高が減少して再増加する」パターンが、低位株でも確認できる代表例と言えます。

銘柄 2:DMP(3652)— 半導体 IP

複数テクニカルが同時に揃っている例として、突撃!!(@WZVhHika6WGItd3)さんが DMP(3652)を取り上げています。投稿原文では「高値圏で保ち合い中、株探の AI ツルハシ銘柄に紹介されるなど注目度上昇。チャートは逆三尊、パラボ、一目みな好転。更に今週、週足ゴールデンクロスと中長期指標も」と整理されていました。

注目すべきは、逆三尊単体ではなくパラボリック(パラボリック SAR・トレンド転換シグナルを点で表示する指標)・一目均衡表(雲・転換線・基準線で売買タイミングを総合判定する指標)・週足ゴールデンクロス(短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける現象)といった複数テクニカルが同方向を示している点です。次の章「『逆三尊』だけで判断しないための組み合わせ手法」のテーマと完全に一致する例で、逆三尊だけで判断する場合と複数指標が揃った時に絞る場合とで、選別の精度が大きく変わる典型例として参考になります。

銘柄 3:AI ロボティクス(247A)— グロース新興

決算カタリストとテクニカルの掛け算の例です。IR マッスル(@IR_muscle)さんは「AI ロボ、日経が『本物の AI 銘柄』と定義、SaaS で再現性ある成長、チャートは逆三尊形成中、この形で決算へ」と分析していました。

「逆三尊形成中に決算をまたぐ」という構図は、本記事の前半でだまし回避のチェック 3「決算発表や重要イベントを跨いでいないか」で警告した状況そのもの。決算がプラスサプライズならパターン通り上昇、ネガティブなら一気に逆三尊崩れ、というハイリスク・ハイリターン局面と言えます。実エントリー時はポジションサイズを通常より下げて、シナリオが外れた場合の損切り基準を事前に決めておきたい局面です。

銘柄 4:キオクシア(285A)— 半導体メモリ

ネックラインブレイク後のロールリバーサル待ちエントリーの実例として、kazu(@ebp8k)さんがキオクシア・SNDK・パワーエックスを挙げています。「逆三尊ネックラインブレイクアウトでローリバしたらインですよね」というコメントが、前章「ネックラインの引き方とブレイク確定の見極め」で解説した保守派のエントリー手法を実際に運用している例です。

ロールリバーサルとは、ネックラインを上抜けた後、いったんそのラインまで戻ってきて、再度上方向に跳ね返る動きのこと。ブレイクが本物だった場合、過去の抵抗線が新しい支持線に変わるため、この動きが確認できればだましの可能性が大きく下がります。慎重派の個人投資家にとっては、ブレイク当日の即エントリーよりも参考にしやすい手法です。

銘柄 5:アミタホールディングス(2195)— 環境ソリューション

中小型・ニッチ業種の代表例として、あんてな(@rx8r14367)さんの 50 銘柄一覧に含まれていたアミタホールディングスを取り上げます。環境ソリューション・資源循環というテーマ性のある業種で、流動性は大型株より低めですが、長期下降トレンドの末期で逆三尊が出やすいセクターの代表とも言えます。

中小型株で逆三尊を狙う場合、注意点が 1 つあります。出来高が薄いとネックラインブレイク時の判定が難しいという点です。1 日数万株しか出来高がない銘柄では、一時的な売買で簡単にネックラインを上抜けてしまい、すぐ戻る、というだましが頻発します。中小型株では「20 日平均出来高の 2 倍以上」を最低条件にするなど、大型株より厳しめの出来高フィルタを設けるのが現実的です。

補足:個別銘柄だけでなく「指数」にも逆三尊は現れる

5 銘柄を見てきましたが、実は逆三尊は市場全体(指数)にも現れます。武蔵(@kabu0123456789)さんが「グロースが月足で見たら逆三尊」と東証グロース市場指数の月足を分析されていました。個別株の逆三尊が複数銘柄で同時に出る背景には、こうした市場全体のセクター回転や指数レベルの底打ち動きがあることも珍しくありません。個別株を見るときは、その銘柄が属するセクター指数や東証グロース全体の動きを併せて確認するクセをつけると、より大きな視点で判断できます。

nitekabu で進行中の逆三尊候補を探す手順

ここまで読んで「自分でも日本株で逆三尊候補を探してみたい」と思った方向けに、nitekabu のチャート類似検索を使った最短手順を整理します。所要時間はおよそ 30 秒です。

X では、あんてな(@rx8r14367)さんが「未完成の逆三尊の公開、いちにち 10 個」と発信されていますが、これは裏返せば 手作業で日経 225 から候補を探すと、毎日 1 時間以上かかる作業 ということ。私自身も nitekabu を開発する前、手動でチャートを 1 枚ずつ確認していて「これは続かない」と痛感した経緯があります(@kabueng55)。

Step 1nitekabu にアクセス

Step 2:「チャート類似検索」から 逆三尊テンプレ を選択(または、自分でチャート上に 3 つの谷を描いて検索)

Step 3:検出された 日経 225 銘柄の一覧 をチャート付きで確認

Step 4:以下のフィルタで絞り込み

  • 期間:過去 60〜90 日に形成された候補
  • 出来高:左肩 → 頭 → 右肩で減少 → 増加が見える銘柄
  • 現在位置:ネックライン手前またはブレイク直後の銘柄

私自身、この記事を書くにあたって nitekabu の逆三尊テンプレを実際に走らせてみました。手動で日経 225 を 1 枚ずつチャート確認するのと比較して、明らかに時間効率が違います。「3 つの谷の対称性」だけでは拾いきれない出来高条件まで絞り込めるのが利点。

なお、nitekabu は日経 225 銘柄が中心です。東証プライム全体や東証スタンダード・グロースまで含めて広く探したい場合は、後述する TradingView スクリーナーとの併用が現実的な選択肢になります。

nitekabu を使うときの注意点

便利なツールである一方、いくつかの制約も把握した上で使ってください。

  • 対応銘柄は日経 225 中心。東証スタンダード・グロース全体は未対応
  • 検出結果は「形が似ているか」の類似度であり、ブレイク確定や売買判断を保証するものではない
  • 株価データは日足ベースで、ザラ場のリアルタイム判定には別途証券会社のアプリと組み合わせる必要あり
  • パターン検出後は必ず、本記事で解説した 4 つの判定条件と 3 つのチェックポイントを通すこと

ツールはあくまで「候補を素早く絞る道具」であり、最終的な投資判断は読者ご自身の手に委ねられます。

nitekabu の逆三尊スクリーニング画面

「逆三尊の日本株候補を実際に探す」 nitekabu のチャート類似検索で、過去 60〜90 日の逆三尊候補を日経 225 から抽出できます。 → nitekabu でチャート類似検索を開く

だましを避ける 3 つのチェックポイント

逆三尊のだまし(フェイクブレイク)には、典型パターンがあります。私自身、過去にだましで損切りした経験があるので、その教訓も含めて 3 つのチェックポイントに絞って整理します。

チェック 1:ブレイク時の出来高は伴っているか

最重要のフィルタです。ネックラインを上抜けたものの、その瞬間の出来高が直近 20 日平均を下回っているケースは、だましになりやすい傾向があります。理由はシンプルで、買い圧力が薄いと、利益確定の売りや戻り売りで簡単に押し戻されるためです。最低でも 20 日平均出来高の 1.5 倍程度を目安にしたいところ。

チェック 2:日経平均(地合い)が逆風になっていないか

個別株の逆三尊が綺麗に出ていても、日経平均が下落トレンドの真っ最中だと、ブレイクが続かないことがあります。投資戦略を立てるとき、私はまず日経平均の日足を確認して、25 日線の上にいるか、ボリンジャーバンドが上向きかをチェックするようにしています。

チェック 3:決算発表や重要イベントを跨いでいないか

決算発表の直前・直後は、テクニカルパターンよりもファンダメンタル要因が圧倒的に強く出ます。逆三尊ブレイク直後に決算でガイダンス下方修正、というケースは個人投資家としては避けたいパターンの代表例です。決算日とブレイク日のカレンダーチェックは必須。

具体的に「だまし」をどう判定するか、という基準についてもう一歩踏み込みます。投資をわかりやすく解説の動画では「逆三尊の左右 2 つの谷の部分を、価格が下抜いてきた時に逆三尊様の形になったと判定できます。一般的には近い方、右の谷とすることが多い傾向があります」と解説されています。つまり、右肩の安値を価格が下に割った時点で「逆三尊失敗」と判定するのが実用的、ということになります。

私自身、過去に「これは綺麗な逆三尊だ」と思ってブレイク当日にエントリーしたものの、翌日に決算で下方修正が出て右肩を下抜け、そのまま含み損で損切りした経験があります。出来高条件はクリアしていたのに、決算カレンダーを確認しなかった、というシンプルなミス。あれ以来、エントリー前に必ず決算日カレンダーを開く習慣がつきました。

X でも、ジークフリード(@MakotoHojo1)さんが「逆三尊ならず、想定ラインを割ったので速攻で撤退、-3600 円。損切りは潔く躊躇せず気持ちよく」と、ネックライン割れ時の損切り体験を投稿していました。「想定ライン(=ネックライン or 右肩)を割ったら即撤退」というシンプルなルールがあるかどうかで、損失額は大きく変わります。ルールを言語化して、エントリー前に書いておくと心理的なブレが減ります。

さらに、テクニカルパターンが綺麗でもヘッドラインリスク(決算・要人発言・地政学イベント等で相場が瞬時に動くリスク)で逆方向に飛ぶこともあります。ユキト(@yukito_ueful)さんは日経 225 先物の 1 時間足で逆三尊パターンを観察した際、「ヘッドライン次第で上にも飛ぶので素直に売れるかというと怪しいところ」とコメントされていました。決算だけでなく、米国市場のヘッドライン、為替、地政学イベントなど、テクニカルを瞬時に無効化する要因は常に存在します。だましチェック 3 つに加えて、重要イベントが直前に控えていないかのカレンダー確認も習慣化したいところ。

だましを避ける 3 チェックリスト

「逆三尊」だけで判断しないための組み合わせ手法

ここで少し反対視点も入れておきます。著名個人投資家のテスタさんは、切り抜き動画(YouTube 動画)で「逆三尊って呼ぶのもあっても、わかんないですね、知らないですね」とコメントし、さらに「チャートとかもそうなんですけど、みんなが需給で意識するから意味があるだけ」「有名なパターンほど、そのタイミングでやっては遅い」と話していました。つまり、有名なパターンは知れ渡った時点で先回りされやすい、という指摘です。

この見方は重要で、逆三尊を「これ単体で判断する売買シグナル」として使うとワークしにくい局面が増えるかもしれません。私の実務感覚としても、逆三尊だけで判断するより、いくつかの観点をポイント制で組み合わせる方が再現性が高くなります。

組み合わせの例を 3 つ挙げます。

1. 移動平均線とのクロス

25 日線が 75 日線を下から上に抜けるゴールデンクロス(短期線が長期線を上抜ける現象)の前後で逆三尊が完成すると、テクニカルの信頼度が増します。

2. 出来高ピーク後の調整局面

頭の安値部分で出来高がいったんピークをつけた後、右肩で再上昇する流れと重なる銘柄は、ブレイク後の継続力が比較的高い傾向があります。

3. 日経平均との連動性確認

日経平均が同時期に下落 → 反転モードに入っている時に個別株の逆三尊が出ると、地合いと方向が一致するので、ダマシに遭いにくくなる体感があります。

なるほど株大学!(YouTube 動画)の三澤先生も「これだけでトレードしていくよりも、他のノウハウと組み合わせていくのが本当に大事」と強調していました。複数の根拠が一致したときだけエントリーする、というのが現実的なスタンスかもしれません。

TradingView での再現可能なスクリーニング条件

最後に、nitekabu に加えて TradingView のスクリーナーを使うやり方も紹介します。東証プライム・スタンダード・グロース全体や、グローバル銘柄まで含めて広く拾いたい場合に有効です。

逆三尊そのものを直接検出する条件は TradingView にはありませんが、逆三尊が出やすい状況を絞り込む条件式は組めます。私が使っている条件は以下の通りです。

条件内容
1過去 60〜90 日で 52 週安値圏に到達している
2直近の反転上昇が 5〜15% 以内
3その後の再下落が、前回安値より浅い
4出来高 50 日平均より直近で増加している

この 4 条件で絞ると、候補は東証プライムで通常 10〜30 銘柄まで絞れます。そこから手動でチャート形状を確認し、3 つの谷の対称性と戻り高値の高さをチェックする流れです。

nitekabu との使い分けとしては、nitekabu はチャート形状そのものの類似検索、TradingView は出来高+値動きの統計的条件、と覚えておくと良いです。両方を組み合わせると、見落としを大きく減らせます。

応用編としては、マルチタイムフレーム を使った絞り込みも有効です。松本彰宏(@2M66T8nQSyfIO1t)さんは「15 分〜 4 時間足の抵抗帯に株価が接近又は反発している銘柄を探し、見つけたら 1 分足で W ボトムや逆三尊が出るのを待ちます」というデイトレ寄りの手順を公開されていました。スイング寄りの個人投資家なら「週足の抵抗帯接近 → 日足の逆三尊」という時間軸の組み合わせに置き換えると、再現性のある絞り込みになります。

なお、これらのスクリーニング条件はあくまで「候補抽出」のためのもので、エントリー判断とは別物です。候補リストができたら、本記事の前半で解説した 4 つの判定条件と 3 つのチェックポイントを必ず通してください。

まとめ:逆三尊で「日本株の底」を見つける 3 つの実用基準

ここまで読んでいただいた方に、本記事のエッセンスを 3 つに絞ってまとめます。

1. 形だけでなく出来高とトレンドで判定する

3 つの谷の対称性だけでは不十分で、左肩 → 頭で出来高減少 → 右肩で増加 → ブレイクで急増、という出来高パターンと、長期下降トレンドの末期、という前提条件の 2 つを必ずチェックする。

2. ネックラインのブレイクは終値ベースで確認する

ザラ場の瞬間上抜けではなく、終値ベースで上抜け、かつ出来高を伴っているかを確認する。右肩を下抜けたら「だまし」と判定。

3. 単体で判断せず、ポイント制で組み合わせる

有名なパターンほど先回りされやすい。移動平均線のクロス、日経平均の地合い、出来高条件と組み合わせて、複数の根拠が一致した場合のみエントリー候補とする。

逆三尊は「下降トレンドの底を示す反転パターン」という強力なシグナルですが、過信は禁物。だましもそれなりの頻度で発生します。本記事で紹介した 4 条件と 3 チェック、そしてスクリーニング手順を使い分けて、自分の投資スタイルに合わせて取り入れてみてください。

なお、本サイトの運営者情報免責事項もあわせてご確認ください。同じパターン教科書シリーズとして、カップアンドハンドル 例|日本株 7 銘柄で実例検証も合わせて読むと、チャートパターンの全体像が掴みやすくなります。

最後に、自分がどんなタイプの投資家に向いているか——スイング向きなのか、長期向きなのか、テクニカル重視なのかファンダ重視なのか——を知っておくと、逆三尊のようなチャートパターンをどう活用するかの軸が定まります。投資家タイプ診断 shindan で、自分の特性を 5 分で把握してみてください。

「自分の投資家タイプを把握する」 8 タイプの投資家像から、あなたに最も近いタイプを診断します。スイング向き、長期向き、グロース系、バリュー系——自分の軸を知ると、テクニカルパターンの活用方針も明確になります。 → 投資家タイプ診断 shindan を開く

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よくある質問

Q. 逆三尊と三尊(ヘッドアンドショルダー)の違いは?

A. 上下対称の関係です。三尊は上昇トレンドの天井で出る「3 つの山」、逆三尊は下降トレンドの底で出る「3 つの谷」のパターンで、後者は反転上昇を示唆します。同じ構造を逆向きにしたものとイメージしてください。

Q. 逆三尊のネックラインはどう引けばいい?

A. 2 つの戻り高値を結ぶ線です。水平に近いことが多いですが、右肩上がりに引くケースもあります。終値ベースでこのラインを上抜けた瞬間が、ブレイク確定の目安となります。詳しくは「ネックラインの引き方とブレイク確定の見極め」セクションで解説しています。

Q. 逆三尊のだましはどう見分ける?

A. 左右の谷(戻り高値の中央を挟む 2 つの安値)を価格が下抜いた時点で、一般的には「逆三尊失敗」と判定されます。出来高が薄いブレイクや、地合い悪化局面でのブレイクもだましになりやすい傾向があります。

Q. 日本株で逆三尊が出やすい銘柄の特徴は?

A. 過去 60〜90 日に長期下降トレンドを経た銘柄、出来高が一度収縮した後に再増加した銘柄が候補になりやすい傾向があります。nitekabu の類似検索で日経 225 銘柄から絞り込めます。

Q. 逆三尊が完成した後、どれくらい上昇する?

A. 教科書的には「中央の底からネックラインまでの値幅」と同程度の上昇が目安とされますが、実際の値動きにはばらつきがあります。過去のパターンが将来を保証するものではないため、投資判断はご自身の責任でお願いします。